ラクロス -92ページ目
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ルックアラウンド

集団スポーツのゲームで、一番大切な原点は何か?と聞かれたら、迷わず「ルック アラウンドです」と答えるでしょう。

自分は一人じゃない。必ず周りには仲間がいる。周りを常に「見る」事が集団スポーツでは最も大切です。そんな事は判っている、なんて言われそうですが、ホントに出来てるでしょうか?ボールマンが孤立しているのにも気が付かないなんて事は無い?

ダブルディフェンスに付かれているのに、突っ込んでいったりしてはいない?フィールドでは、仲間をまず探しましょう。全てはそこから。
「見る」は「聞く」の前にある、最重要の基本スキルです。

シュートって、、。

良く耳にするのは、シュートの練習で大切なのは「数をこなす事だ」「コースコントロールだ」「腕力と上半身の筋力強化だ」「フェイクを入れる冷静さだ」とか。

どれも正解でしょうけど、やっぱり「その前のパスだ」と思います。1ON1状態から生まれるシュートも当然多いですが、シューターに繋げる絶妙のパスタイミングが、最強のシュートを生み出します。

練習でそのような光景を見る事が出来る時があると、「これぞラクロス」って嬉しくなってしまいますね。フィードの巧い子にも、妙に期待しちゃいます。
アシストって、スコアブックには記録されるのかなぁ?

基本

ラクロスは、日本では日の浅いスポーツです。
ほとんどのマイナースポーツがそうであるように、学校体育で採り上げられる事はまずありません。関東や関西の一部を除いて、大多数のプレイヤーが大学に入学してはじめて出会うスポーツです。

スタートラインはほぼ同じ、であれば、個人資質以外に大きな要因は経験年数です。全日本王者をクラブチームが席捲し続ける、クラブ全盛時代は早くから予期されていました。まぁ、当然の帰結でしょう。
もっと全国的に、中高生のラクロスチームが出来れば、事態は変わってくると思いますけれど、、。

トップレベルの話はさておき、学生リーグでの勝敗を分けるのは、なんと言っても基本スキルです。パス、キャッチ、クレイドル、グランドボール。
この、アタックもディフェンスも関係なく共通するスキルの、「ミスが少ない方」が勝つのです。1ON1も、人数対人数も勿論重要です。
ただその前に、キャッチボールをしましょう。グラボをしましょう。
ラインは普段よりもう一本増やして、各人がボールに触れる機会を増やしましょう。それが勝利への一番の近道なのだと、最近特に感じています。

ディフェンスの楽しさ

ラクロスをはじめた人は、パスキャッチとクレイドル、グラボを練習させられて、次は大抵が「シュート」練習なんですよね。
ディフェンスの練習は、その次のステップになる事が多い。
そのせいか、一年生で「ディフェンスをやりたい!」なんて開眼する子は稀有と言って良いですし、練習試合や、リーグ戦の「経験出場」的に一年生が出る場合も、コーチが考えるのは「ディフェンスで出すのは致命傷になりかねないから、アタックで」そこそこシュートセンスのある選手を出そうか、という傾向にあります。

というコトで、ディフェンスに特化しよう!と思うのは、比較的上級生になってからという人が多い筈です。
でも、ボールゲームの醍醐味は、デイフェンスの方が深い!と僕は思います。
ラクロスは圧倒的にアタックが有利なスポーツです。またそれは話そうと思いますが、ラクロスのディフェンス、特に女子ラクロスでは「闘争心」「集中力」そして「緻密さ」を同時に発動して、相手アタックを無力化させるもしくはボールを奪う事が要求されます。自分のディフェンスが効を奏して、敵が攻めあぐねている姿を見るのは快感だと思います。

ほんとに、ディフェンスは楽しいのです。やってみないとこの良さは判らない。ディフェンスがスターになれるチーム作り。これも重要ですね。

草創期の記憶

いまでも時々、87年の事を思い出します。
一浪して早稲田に入り、アイスホッケーサークルの強烈な勧誘に逢って、体験入部状態だった時、慶応の初代メンバーが「早慶戦やろう!」と早稲田キャンパスに勧誘に来ました。狙いはアイホサークルの「夏季トレ」。
H君やO君、I君たちです。当時、慶応に「ヒロ君」という、ラクロスを日本に輸入しようと言い出した人がいて、すごーーくオシャレだったのです。
もう、なんか育ちの良さのオーラが出てて。田舎から出てきた僕には輝いて見えたものです。コカコーラのCMを見て「これは面白そうだ」と思ったのがきっかけだったという話を聞いた記憶があります。
「とにかくデモを見に来て」と言われ、カナダ大使館へ。
インドアだったのですが、ネットを張り巡らせていたので、多分普通のフィールドラクロスのデモだったのだと思います。いやぁ、衝撃でした。
絶対にやろう!と思いました。
慶応の練習にも参加して、玉川の河川敷で、はじめて日系3世のノリオ・エンドーさんに出会いました。彼はかつて、名門ジョンズ・ホプキンスのラクロスチームに所属、かの名コーチ、ボブ・スコットも認める名選手でした。
その後、広尾の超高級マンションでの、エンドーさんのホームパーティに招かれました。「早稲田が好きなんだ」というエンドーさんと直に話したのです。
その時に聞いた言葉が、僕のラクロス観を今でも支えています。

「自分は、今で言うトップガンだった。太平洋戦争で出撃したが、機上掃射で初めて殺してしまったのが、日本人の、しかも子供だった。その記憶が今でも脳裏にこびり付いて離れない。自分は、今の立場で出来る平和貢献をしたい。
日米平和はその為に最重要で、しかも企業のエゴとは無関係な、ラクロスという純粋なアマチュアスポーツで、若者同士の国際親善・相互理解を深めるという草の根運動を、何としても推進したい」のだと。涙を浮かべながら。

「Lacrosse makes friends」って、そういう事なんです。
僕には、自分のコーチするチームにさえ、国際交流の機会を作ってあげられていないのですが、いつか必ず!って思ってるんですよ。。。

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